ブラック企業からの反論
日経ビジネスで企画がスタートしていて、2日連続で面白い記事が載っていた。
それをやったら「ブラック企業」
と言う企画だ。
ファーストリテイリング・柳井正会長が若手教育について語る
ワタミ・桑原豊社長が、若手教育について語る
の2本です。
ユニクロ、ワタミに止まらず、IBMや日本の大手家電メーカーと、色々な企業の「ブラック化」が話題になっている昨今ですが、言われ放題の企業からもようやく反論が出てきました。
そもそもブラック企業の定義とかって話は長くなるからしないけど、とにかくまぁ時間の費用対効果が著しく悪い環境で長時間拘束されて精神的&肉体的なプレッシャーがきつくて、尚且つ終わりが見えないって言う辺りだと思われます。
この「終わりが見えない」って言うのが精神的にきついところで、うつ病とかに繋がってる原因じゃないかと個人的には思っており、一部であるような「昔よりも社員のストレス耐性が弱くなった」って言う話については、余りにも暴論じゃないかと思います。
仮にストレス耐性が世代全体を通してみて弱くなったのであれば、それを考慮した人員体制にしなければ、人が出て行くのは当たり前の事ですよと。
と言う訳で、ユニクロの柳井会長の話を読んでみると、ある程度認識しているし、急激にグローバル化を推し進めた事でひずみが出ている事を「失敗」としているし、それなりに改善の意志があるみたいです。
ただ、その上でファーストリテイリングと言う会社がどういう会社で、これからどこを目指していて、どういう人間に一緒に働いて欲しいか?と言う事を話していて、その中に、ユニクロの目指している所を目指せない人はいらないと言う事になっているんですね。
でも、これは仕方ない事で、本気でグローバル、世界標準と言った所をユニクロが目指していくとなると、当然近場の「日本よりも人件費が安い国」とも競争が必要となってくる訳で、人件費の高い日本人は、安い外国人よりも「いいパフォーマンスを出して当たり前」と言う環境になってきますし、単純作業しかしない・出来ない日本人の人件費はどんどんと安く抑えられ、今までの日本から見たら「ブラック」化していくしかないのかなと。
でもユニクロはそこから這い上がるチャンスがあるとは思うんですよね。
ただ、そこには「本気でグローバルを目指す社員」であると言う前提条件が必要です。
ファッション・アパレルのメーカーで働きたい、と言うくらいの志だと、今のユニクロじゃ使い捨てられるだけなんじゃないかなと。
ただ、やまもといちろう師も言ってますけど、法令順守はどうなっているんだ?と言う所ですよね。
別にグローバルを目指すのはいいと思うんですけど、何かと強制されるってのが問題なんじゃないかと。終業後の英語の勉強にしても、時間管理と結果提出とか、なんだか息苦しそうな環境だなーとか思っちゃう。
そうすると、その時間って会社の拘束時間に含まれて残業扱いになるの?就業規則は労基署のチェック通ってるの?辞めた人達は誰も労基署に通告しないの?等々。
疑問が尽きないんですよね。
ユニクロがどんだけグローバルを目指そうとも、まだまだ売上に占める国内比率が高いし社員数も日本人が多いし、海外に出ても各国で法律はあるし、そこは日本よりも残業をしない国が多い訳で、国民性的にも日本で受け入れられないルールが海外で受け入れられるか?って言うと相当難しいと思うんですよ。
いくら大きな観点から考えて経営するにしても、輸出するのはサービスだけで、ブラックだと言われる側面に関してはどこかにまとめて捨てて行った方がいいんじゃないかな。
日本の若い世代が海外とボーダーレスに戦わなきゃいけないのは、ユニクロに言われなくても当たり前の事なんですが、果たしてユニクロで頑張って、各個人に海外とボーダーレスに戦う力が付くのかどうか?と言うとちょっと疑問ですね。
上から言われたグローバル感の中でしか成長出来ないよりも、自分で考えて自ら成長する人が世界なんで、世界で成長した結果、やっぱりユニクロからどんどん巣立っていくって言うのが目指す所なのかなと感じなくもないですし。
とりあえず、何でもかんでもブラック企業だって言う風潮は危険な気もするけど、こういった情報が表に出てきて、そういう事を前提として理解した人達が働きに行く分には別にいいんでしょうかね。
あとは、労基署さんがちゃんと能動的に機能してくれるといいっすね。
何年後か分からないけど、世界と戦う為に、本当にブラックって言われるくらい頑張らないといけない時代が来るかと思うと嫌になっちゃうけどね。
ゆとり世代の働き方に期待しちゃっております。
俺は効率よく頑張りたい。
ワタミの話もしようと思ったけど、長くなったからまたで、あと、ユニクロに見る会社組織の話とか、グローバルって何よ?ってのも書いてて思ったから。。。
うん、またにしよう。